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無職のおっさん、ポケモンGOにハマる

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無職の人間は、絶対に手を出してはいけない。絶対にだ。

 

40手前のアラフォー、独身、現在無職。

それは、無職の人間が絶対に手を出してはいけないモノでした。クズ街道をまっしぐらに走った果てに廃人と化し、二度と社会復帰できない可能性も充分考えられます。「最初は興味本位で……」「友人に勧められて……」麻薬に溺れた者たちは決まってそう言うのです。例に漏れず、私も最初は完全に興味本位でした。

多くのアメリカ人が正気を失う姿をニュースで目の当たりにし、「なぜだ? なぜそこまでハマる? そんなにイイものなのか?」と、不思議に思っていました。最初は。そして海の向こうの熱狂を「フッ、愚かなヤツらめ」と、冷ややかな目で見つめていました。最初は。しかし、自分も試してみたいという気持ちは日に日に強まっていくばかり。

 

2016年7月22日、ポケモンGO、日本で配信開始。速攻でポケモンGOをインストールし、勇んで外に飛び出した無職のおっさん。 

40手前のおっさんである私は、ポケモン世代ではありません。ゲームボーイアドバンスポケットモンスターもやってませんし、アニメも一度も見たことないですし、ポケモンの名前を10個挙げてみよと言われても、一般常識としてピカチュウだけは答えられるものの、その後はもう何も出てこないくらいポケモンには興味が無かった。

だから、甘く見ていたんです。ポケモン世代ではない自分は、まぁそこまでハマらんだろうと。

無職の分際で、いや無職だからこそ、見事にハマってしまいましたよ、ポケモンGO。何せ時間はありますから。こんなことしてる場合じゃない、今、探すべきは定職であって、ポケモン探してる場合ではないはずだぞバカタレが!と己を叱りつけながらも、全く身体が言うことを聞かない。

無職の人間には時間の制約が無いのです。明日仕事に行かなくてもいい。ポケモンの巣で狩りに夢中になって、万が一終電を逃してしまったとしても、そのときは朝まで狩りを続ければいい。ポケモンをゲットするたび、トレーナーレベルが上がるたび、モンスター図鑑が埋まっていくたびに脳内報酬系において放出されるドーパミンポケモンを探して彷徨うポケモントレーナーの姿を、誰かが「さながらゾンビのよう」と言っていましたが、まさに、このことだったか……。面白い。楽しい。気持ちいい。歩く脚が、モンスターボールを投げる指が、止まらない。長時間の歩行により、疲労でボロボロになった身体を引きずりながら、やはり手を出すべきではなかった……と私は深く深く後悔しました。

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世界は本当に、冒険のフィールドと化した。

アラフォー世代がハマったゲームというと、ドラクエとFFがまず筆頭に挙げられるでしょう。特に1988年に発売されたファミコンドラクエは、日本全土を熱狂の渦に巻き込みましたね。歴史的なゲームです。

当時の熱狂を、私はよく覚えています。友達でドラクエⅢをプレイしていないヤツはいなかった。小学生低学年だった私も見事にハマってしまい、完全に学校の宿題を放置、親に怒られながらも、寝る間を惜しんでプレイしていました。どれほどひどく叱られようが意に介せずという態度を取り続ける私に対して、親はファミコンのACアダプターをどこかに隠すという対抗措置を取るほど。私は麻薬中毒者のように、ドラクエの世界にのめり込んでいきました。

ドラクエの世界観は、次第に現実世界をも侵食し、精神を蝕んでいきました。もともと妄想癖が強かった少年だった私は、「ほんとうにドラクエのモンスターが出てきたらいいのになぁ」と願い、毎日、下校時間、学校から家までの道すがら、冒険の空想に耽りながら家路につきました。街路樹の側からマドハンドがあらわれ、路地からは〈キメラ〉があらわれ、寄り道をした公園の茂みからははぐれメタルがあらわれ、近所の怪しいおじさんはくさったしたいで、といった具合に。

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あらゆる場所から襲いかかってくるモンスターの姿を想像し、次々と頭の中でなぎ倒しては経験値を積み重ねて、レベルアップに励みました。私は小さな勇者であり、まさに世界は、冒険のフィールドでした。

ポケモン直撃世代の方々も小さい頃、私がドラクエの空想に耽っていたのと同じように、街のあちこちからポケモンが飛び出してくる想像をして遊んだりしたのではないでしょうか。ポケモンGOをプレイしていると、少年時代の冒険の記憶がフラッシュバックし、当時の夢が本当に叶ったような感覚に陥って感動すら覚えます。あれから30年経ち、世界は本当に、冒険のフィールドと化してしまった。

そりゃ夢中になりますわ。わかります。無理もないですわ。ポケモン世代ではない私でさえこんなに夢中にさせるのですから。小さい頃にRPGにハマった経験のある人なら誰でも、ドハマりする可能性は高いのではないでしょうか。

間違いなくポケモンGOは、歴史に残るゲームです。もうね、社会の教科書に載るレベル。それくらいこのゲームは凄い。いやこれでもポケモンGOじゃなくて、ドラクエGOだったら本当にヤバかったと思います。

 

配信開始から2週間以上過ぎたポケモンGO、日本でもピークアウトの兆しも。Twitterでも「もう飽きた」「もうやめた」というツイートもちらほらと見かけます。各地のポケモンの巣も、最初の一週間ほどの狂乱は今は影を潜め、少し落ち着いてきましたかね。

さて私はというと、何せドラクエⅢでも、ラスボスのゾーマを倒した後もパーティー全てのメンバーのレベルを99まで上げ、全てのアイテムをコンプリートするまでやり続けるタイプの人間。なので飽きるどころかこの底なしコンテンツの沼にどっぷりと浸かりきっており、しばらく抜け出せそうにありません。開発者のジョン・ハンケ氏の発言によれば、「ポケモンGO」の機能はまだまだ未実装な部分が多く、現時点でまだ10%程度(!)なのだとか。今後さらに底なし度が増していくと思うと……全く恐ろしい話です。

 

よしっ!! またこれからポケモン図鑑を埋めるべく、レアポケモンを探しに外にでかけようかしら!! (イヤイヤッ仕事探せよ!!)